神戸高専にいながら文系分野も学べる「外大科目の特別開放」がスタート! ~高専生が語る外大授業の魅力~

2025/05/08

2024年度後期より、本校と神戸市外国語大学(以下、外大)は、授業科目の相互開放を開始しました。これにより、文系外国語大学の科目の一部が、本校の学生だけに特別開放されることになりました。

本校から初めて外大の授業に参加した学生は、自らの専攻と全く異なる分野の授業を体験することにより、どのような気づきや刺激を得たのでしょうか。今回、社会学の授業を受講した機械工学科の学生に感想を聞きました。

 

<インタビュイー>

機械工学科2年 Hさん(受講科目:社会学) *学年は2024年度時点

 

Q 外大の科目を受講しようと思ったきっかけを教えてください。

▼ 実はもともとは文系科目が得意。文系の大学を体験するチャンス!

学校からのお知らせで、外大の授業が無料で受けられることを知り、強く興味を惹かれたのがきっかけです。私は以前から自身の専攻とは異なる学問分野の勉強をしてみたいと思っていました。ただ、自身の将来のキャリアを考えると文系の大学に進学する選択肢はないと考えていたので、今回、高専から距離的にも近い外大で、文系の授業を体験できるというのは、自分にとって非常に貴重な機会になるのではと思い、受講することに決めました。

また、もともとは文系、特に英語と社会が得意だったのですが、将来やりたい自動車関係の仕事が理系の専門知識を必要とするため、機械工学科がある高専に入学した経緯がありました。そこで、今回は、もともとの得意科目に分野が近く、最も興味を感じた科目であり、授業の実施時間帯がちょうど良かった「社会学」を選択させていただきました。

 

 

Q どのように授業に取り組まれていたのか、受講中の様子を教えてください。

▼ 実際に授業が始まると受講前の不安は解消されました。

受講する前は、2年生(高校2年次相当)の私が、大学の授業についていけるのか、がとても不安でした。大学教員の専門的な講義が理解できるのか、また、シラバスには、必須ではないとはいえ、「前期の対応科目を受講していることが望ましい」旨の記載があったので、前期科目を受講していない私が後期から受講しても良いのか、という点でも心配がありました。それが、実際に授業が始まってみると、自身が思っていた以上に授業についていくことができ、楽しく学ぶことができました。

▼ 高専とは異なる外大の授業の実施形態が新鮮でした。

高専の理系科目では、計算をする機会が多いため、先生が計算式を黒板に板書され、自身は板書をノートに写すという形式の授業が多いですが、私が受講した外大の授業では、配付されたプリントを参照しながら先生の講義を聴くスタイルでした。お話を聴きながら、気になることをプリントにメモしていくという方法は、高専の授業とは異なり、とても新鮮に感じました。授業中は、ただ受動的に先生のお話を聴くのではなく、自身の興味が惹かれるのはどの点なのかを意識しながら聴いていました。

私が受講した「社会学」の授業は、一般的な講義形式で座席が自由でした。そのため、外大生の中に入ることに特に緊張感はありませんでした。また、授業後にはわからない点を先生に直接質問できる機会があり、非常に助かりました。

▼ 外大の図書館で先生ご紹介の図書を借り、参考文献としてレポートに引用。

成績の評価方法は、中間レポートと期末レポートの提出が求められる形式でした。そのため、授業後にレポートの構想について先生に話を聞いていただき、それに対してアドバイスをいただきながら執筆しました。また、先生から紹介された図書を外大の図書館で借りて読んでみました。レポートの最後に参考文献として表記できるほど本を読み込んだのは初めてのことであり、私にとって大変貴重な経験となりました。

 

 

Q 受講を振り返って、良かった点を教えてください。

▼ 新鮮な体験ができ、視野が広がりました!

一言でいうと、非常に新鮮な体験でした。高専に入学した自身の今後のキャリアを予測したとき、文系大学の授業を半期分15回しっかりと受講するという経験ができるとは思っていなかったので、今回は私の学生生活において貴重な経験となりました。高専の授業ほどに徹底的に復習して理解を深められたかどうかはわかりませんが、先生のお話は非常に興味深く、授業を通じて自身の視野が広がったと感じています。

 

Q 今後受講してみたい科目があれば、教えてください。

▼ 語学系とマクロ経済学。

機会があれば、語学系の科目にも挑戦してみたいと考えています。異文化理解を深めることで、さらに視野を広げ、国際的な視点を持つことができるのではないかと期待しています。また、自身の将来に役立つという観点から「マクロ経済学」も受講してみたいです。

 

 

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2023年度の同一法人化を契機に、本校と外大は情報教育及びグローバル人材の育成の両分野を中心に、双方の学生がより多くの学修機会を得られるように、教学面の取組を強化してきました。

今回、外大からの開放科目を受講した本校の学生が、広い視野で自身の現在や将来を見据えた結果、この授業科目の相互開放の機会を活用し、新たな視座や発想を獲得した様子から、教学面の取組が一歩前進したことがうかがえました。

今後もより多くの学生に多様な学修機会を提供できるよう、本取組を継続していきます。

 

<2024年度後期 外大から高専への特別開放科目一覧>

科目名 曜限 授業時間
西洋哲学史 火曜5限 16時05分~17時35分
英語研究入門 火曜6限 17時50分~19時20分
マクロ経済学 火曜5限 16時05分~17時35分
会計学 木曜6限 17時50分~19時20分
米国の文化 木曜7限 19時30分~21時00分
社会学 金曜6限 17時50分~19時20分

*2025年度の外大科目の特別開放については、事務室学生課より募集要項及び出願書類を公開しています。

 

*本校と外大のこれまでの連携の取組については、以下のウェブサイトをご参照ください。

外大公式ウェブサイト「外大×高専 新たな取組」

https://www.kobe-cufs.ac.jp/campuslife/cross/index.html(外部サイト)