科 目 | 物理 ( Physics ) | |||
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担当教員 | 一瀬 昌嗣 講師 | |||
対象学年等 | 電子工学科・2年・通年・必修・3単位 ( 学修単位I ) | |||
学習・教育 目標 |
A2(100%) | |||
授業の概要 と方針 |
第一学年で身につけた物理学の知識・思考方法をもとにして,熱力学,波動,電磁気学,初等的な原子物理を理解し,自ら考え応用し,探求する力を身につける.各分野の基礎的な事項をよく理解し,工学的な応用を視野に入れて,自ら探求する契機を提供する.授業は,ほぼテキストに従い行う予定. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A2】 熱力学の知識・応用力を身につけ,力学との関連性を把握し,活用できるようにする. | 2 | 【A2】 波動の性質を三角関数とともに理解し,活用できるようにする. | 3 | 【A2】 電界と磁界,電流と回路の基本を理解し,活用できるようにする. | 4 | 【A2】 前期量子論と原子物理の初等的な知識を,科学史的な視点とともに理解する. | 5 | 【A2】 実験結果を誤差を含めて整理し,理論と比較しながら考察することができる. | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 中間・定期試験とレポートで評価する. | |
2 | 中間・定期試験とレポートで評価する. | |||
3 | 中間・定期試験とレポートで評価する. | |||
4 | 中間・定期試験とレポートで評価する. | |||
5 | レポートで評価する. | |||
6 | ||||
7 | ||||
8 | ||||
9 | ||||
10 | ||||
総 合 評 価 |
成績は,試験70% レポート30% として評価する.(試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする.)100点満点で60点以上を合格とする. | |||
テキスト | 「高専の物理[第5版]」和達三樹監修(森北出版) 「エクセル物理I+II 三訂版」(実教出版) |
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参考書 | 「理解しやすい物理I・II」近角聰信・三浦登著(文英堂) 「チャート式新物理I」「チャート式新物理II」都築嘉弘著(数研出版) など,高等学校の物理Iおよび物理IIの参考書で,好みのものを参照するとよい. (「物理I」のみのものもあるので,「物理II」までを含む参考書を選ぶこと) |
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関連科目 | 数学,化学 | |||
履修上の 注意事項 |
自分で問題を解くことが大切なので,自宅学習を怠らないこと. |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 温度と熱 |
絶対温度,熱,内部エネルギーなどの概念を理解する.熱量の単位[cal]と仕事の単位[J]の換算を元に,簡単な問題を解けるようにする. | |
2 | 熱量 |
熱エネルギー,比熱の概念を理解する.比熱を用いた簡単な問題を解けるようにする. | |
3 | 理想気体の法則 |
ボイルの法則,シャルルの法則を理解し,この二法則から出てきた理想気体の状態方程式を使えるようにする. | |
4 | 気体の分子運動 |
気体の分子運動論を理解する.理想気体の質量と温度から,気体分子一個あたりの2乗平均速度を求められるようにする. | |
5 | 熱力学第一法則と熱力学過程 |
熱力学第一法則と,等温・定積・定圧の条件の下での熱力学過程を考察する. | |
6 | さまざまな熱力学過程 |
前回に続き,断熱変化の熱力学過程を考察する.それぞれの熱力学過程について,簡単な問題を解けるようにする. | |
7 | 波動 |
単振動と等速円運動の復習.縦波と横波,正弦波,位相,波のエネルギー,干渉と重ね合わせの原理について理解する. | |
8 | 中間試験 |
熱力学の理解を測る問題を中心に出題する. | |
9 | 中間試験解答 |
中間試験の解答と解説を行い,類題の演習を行う. | |
10 | 位相の変化・定常波 |
波動について理解を深める.固定端と自由端でそれぞれで反射するときに,位相がどうずれるかを理解する.定在波について理解する.ウェーブマシンで実演の予定. | |
11 | 波の干渉・回折・反射・屈折 |
ホイヘンスの原理を理解し,波の干渉・回折・反射・屈折の現象を考察する.相対屈折率を理解し,簡単な計算ができるようになる. | |
12 | 音の速さ・うなり・固有振動 |
温度に対する音の速さを理解する.うなりの現象を理解し,周期と振動数を計算できるようにする.弦の固有振動,気柱の閉管・開管の場合の固有振動について考察する. | |
13 | 音の共鳴・ドップラー効果 |
共鳴・共振の現象を理解する.ドップラー効果について理解し,変化した振動数を計算できるようにする. | |
14 | 光の速さ・反射・屈折・回折・干渉 |
光の速さ・反射・屈折・回折の性質について,音波での考察を参照しつつ理解する.干渉については,ヤングの実験を考察する. | |
15 | 光の干渉・偏光・分散・散乱 |
薄膜とニュートンリングによる光の干渉を考察する.音波にみられない光に固有の性質である,偏光現象,プリズムを使っての分散,レイリー散乱などを考察する. | |
16 | 光学機器 |
これまで学んだ光の性質を応用したものとして,レンズとレーザーを考察する. | |
17 | 静電気力・電界・電気力線 |
静電気の性質,静電誘導,誘電分極,クーロンの法則,電気力線について理解し,電界の強さや,電解中の電荷が受ける力を計算できるようにする. | |
18 | 電位差・コンデンサー |
電位と電位差,コンデンサーの仕組み,誘電率,静電エネルギーについて理解し,関連する簡単な問題を解けるようにする. | |
19 | 直流電圧・電流 |
オームの法則,直列・並列の合成抵抗値の求め方を理解し,計算できるようにする. | |
20 | キルヒホッフの法則・半導体 |
キルヒホッフの法則を理解し,それを用いて電流や電圧を求められるようにする.半導体の性質と,ダイオードとトランジスタの仕組みを理解する. | |
21 | 磁界・磁力線 |
磁界と磁力線の性質,電流と磁界の関係を理解する. | |
22 | 電流が磁界から受ける力 |
フレミングの左手の法則,磁束の概念を理解し,磁界から電流が受ける力,電流同士が及ぼし合う力を計算できるようにする. | |
23 | 中間試験 |
光波,静電気,電流の性質を中心に出題する. | |
24 | 中間試験解説 |
中間試験の解答と解説を行い,類題の演習を行う. | |
25 | 電磁誘導・交流 |
ファラデーの電磁誘導の法則,フレミングの右手の法則,レンツの法則,自己インダクタンス,相互インダクタンスを理解し,関連する簡単な問題を解けるようにする. | |
26 | 交流回路・電磁波 |
交流回路の概要と電磁波について理解し,交流電流の実効値,誘導リアクタンス,容量リアクタンスなどを計算できるようにする. | |
27 | 学生実験 |
可変抵抗,コンデンサー,コイルを使って回路を作り,オシロスコープを用いてリサジュー波形を観察し,位相差を求める.(実験題目を変更することもある) | |
28 | 電子と光 |
電子や光などのミクロなレベルの現象を,トムソンの実験,ミリカンの油滴実験,アインシュタインによる光電効果の説明,などを通じて理解する.ド・ブロイの物質波など,前期量子論についても,その概念を把握し,関連する簡単な計算ができるようにする. | |
29 | 原子と原子核 |
原子の構造を科学史的な視点をふまえて理解する.放射線と核エネルギー,原子核の諸性質を理解する. | |
30 | 素粒子 |
湯川中間子論から,現在受け入れられている標準理論に至るまでの概要を理解する. | |
備 考 |
前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する. |